新約聖書にはなにが書かれているか
要約:
新約聖書は、大きく分けて三つあり、ひとつ目はイエスの言行と死、復活
二つ目が使徒たちの活躍と書簡、三つ目が黙示録です。 イエスの言行と死が書かれているのが、いわゆる『福音書』。
順を追って説明します。
詳細:
福音書内容
①マリア
聖霊により、処女で受胎したマリアさんは、子どものように事実を受け容れ、子どものように信じる心を持っていると言うことで、高く評価されています。いきなり身に覚えが無いのに受胎したと言われたら、ふつうの人はうろたえるんですが、マリアさんはぜんぜんそんなことがなかったんです。
で、臨月を迎えたマリアは、徒歩で約1日かかる距離を移動しています。というのも、当時のローマ皇帝が、『戸籍を作るために住民投票をするから、みんな自分の出身地に帰って登録するように!』って言い出したからです。ヨハネといっしょに故郷のベツレヘムへ帰る途中、マリアは産気づき、馬小屋でイエスを出産します。
②バプテスマのヨハネ
バプテスマとは、洗礼という意味です。バプテスマのヨハネというのは、当時その地では有名人でした。彼は、「神の国がもうすぐ来るから、悔い改めなさい」と言って、人々にバプテスマを授けていました。イエスも彼から受洗しています。
わたしたちクリスチャンは、クリスチャンになる洗礼の時に、このバプテスマを受けます。両親がクリスチャンだと、赤ん坊に受けさせます。その際、牧師から、神の言葉として、
「これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ」
という、聖書の言葉を読み上げるのです。
③イエスの奇蹟
イエスは数々の奇蹟を行いました。最初の奇蹟は、意外にも酒造り。カナという場所で、結婚式に参加したイエス。ところが、大変まずいことに結婚式の途中でワインがなくなってしまいました。当時の結婚式は一週間くらいぶっ続けで宴会を行うものでしたが、その途中で料理やお酒が足りなくなることは、一家の「末代までの恥」だった。そこでイエスは自ら特上のワインを作り、披露宴のホストを助けました。これにより一家は、「末代までの誉れ」になったのです。
イエスはこのほかにも、死人をよみがえらせたり、病人を治したり、パンを増やしたりと、さまざまな奇蹟を行いました。
④皆がイエスを裏切った
3年ほど旅を続けて、イエスはイスラエルの首都エルサレムへやってきました。エルサレムには、パリサイ人という「イエスの宿敵」がいました。イエスが折に触れて、
「君たちはわかってない! 君たちは偽善者だ!」とその権威を否定したので、イエスを忌々しく思っていたのです。さらにイエスがだんだん民衆に慕われるようになると、
「あいつめ、おれたちをないがしろにして……」
とほとんど殺意に近い感情を抱くようになっていました。
イエスはエルサレムに入りました。数日後の木曜日に「最後の晩餐」が行われた際、イエスは、「このなかにわたしを裏切るものがいる!」と言いました。そしてその言葉どおり、ユダはイエスを銀貨三〇枚でローマに売り、ほかの弟子たちもローマ兵がやってくると、蜘蛛の子を散らすように逃げてしまいました。
⑤復活
こうしてイエスは十字架にかけられ、なくなりました。翌日は土曜日で安息日だったので、お墓参りができなかったんですが、日曜日に弟子の一人だったマグダラのマリアたちが墓を訪れると、イエスの姿がない。すでに復活していたのです。
福音書のあらましは、ざっとこのとおりです。
後日談
話はこれで終わらなくて、復活を聞いた弟子たちがあやぶみ、イエスが再来したことから復活を確信して伝道をはじめる話が『使徒行伝』に載ってます。この話の中に出てくるパウロというひとは、苛烈にクリスチャンを迫害していましたが、イエスの幻を見てから心を入れ替えてキリスト教の基礎を作ったのでした。
弟子たちへの迫害は続き、パウロたちも投獄されてしまいます。獄中から手紙を出したのが、「手紙シリーズ」と呼ばれる書簡類で、『神は愛なり』とか、『神は乗り越えられない試練は与えない』といった言葉が載っています。
黙示録
これまでは、イエスとその死、そしてその直後の人々の話だったんですが、新約聖書の最後には黙示録(この世の終わりと最後の審判の話が中心)という、未来を暗示させる記述が載っています。ハルマゲドンという言葉は、この黙示録から出ました。。この記述の中に、福島の原発事故を暗示させる記事が載っているという人もいます。