ファンタジーの材料 世界(後編)

現実世界と隣接した場所の話・そのほかです。

一歩現実から離れたところにある別世界。天国とか地獄とか冥府とかいった場所。イザナギは、妻のイザナミを慕って根の国へと降りていきました。イザナミは、元の世界の人のことを覚えていましたが、ギリシャ神話によると、

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ファンタジーの材料 世界 (前編)

ファンタジーのストーリーを作る際、なにもナーロッパにこだわる必要はないと思います。もちろんナーロッパには、みなさんその異世界のパターンになじんでいて、ほとんど説明ナシで読者を異世界に連れて行ける、というメリットはありますが、
「結局、なにがしたかったの?」
という不満も残る。わたしなどは、そんな異世界に行くぐらいなら、

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ファンタジーの発想 03

ファンタジーの発想その3です。
『笑い』も発想のキーワードに加えておきましょう。
人を笑わせるのはたいへんですが、西条みつとしの『笑わせる技術』では、共感の笑いが王道であると書いてあります。

つまり、「あるある」「そんなことあった! あった!」「それわかるー」といった気持ちのことで、共感させることができたら、その人を巻き込むことができ、笑いを取るだけの下地ができるという考えですね。難易度はいちばん低いといいます。
振り返ってみるに、

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ファンタジーの発想 01

ファンタジー アイデアの出し方についてです。
ドラゴンや魔王、勇者やエルフなど、おなじみのものさえ出しておけばファンタジーだ、と思っている人も多いでしょうが、それは一種のパラレルワールドモノだとわたしは思ってます。
一時的に売れる作品を作って、掃いて捨てるライトノベル作家になりたいんだったら、わたしもそれを止める筋合いじゃあないんですが、長い間読み継がれていくライトノベル作家になりたいのなら、

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わたしのシリーズにおけるファンタジーの定義

わたしのシリーズでは、ファンタジーとはありえざるものを描くジャンルだという定義にのっとって書いています。
つまり、ファンタジーとは現実世界に存在しない生き物や、地球とは違った別世界など、『ありえざるもの』を描くジャンルだということにしています。

もちろん、べつの意見もあります。

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ファンタジーと中医学

中医学とファンタジーについてです。
中医学とは2000年以上の歴史を持つ中国伝統医学のことです。

人体を構成する必須要素には、「気・血・津液」というものがある、と中医学は考えます。

生命活動を維持するために必要な基本の3つの要素が「気」「血(けつ)」「津液(しんえき)」であり、これらが十分に満たされていて、体内をスムーズに巡ることで体のバランスが保たれていると。
なかでも「気」は生命活動のエネルギー源であり、臓腑や組織の新陳代謝にかかわっているそうです。
しかし、これは科学的に証明はされていません。

 

そもそも、生命活動のエネルギーという考え方は、21世紀になってから徐々に西洋にも受け容れられてきた思想です。それまでは、西洋はこの経験からの医学をバカにしていた傾向があります。
しかし、この『気』に着目したファンタジーが、有名な漫画にあるんです。

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ファンタジーの大御所(日本版)

今度は日本におけるファンタジーの大御所です。
残念ながら、80年代になるまで、トールキンの『指輪物語』やル=グインのような『ゲド戦記』のような、壮大なストーリーを創り出した人はいませんでした。たしか小野不由美が、1991年に『魔性の子』を発表するまでは、日本のファンタジーと言えば、児童小説ですが、
『だれも知らない小さな国』(佐藤さとる)、『冒険者たち』(斎藤惇夫)、『空色勾玉』(荻原規子)ぐらいしか、目立った作品を出した人は知らないんですよね(だれか知っている人がいたら、教えてください)。

そのなかにあって、水野良の『ロードス島戦記』はエポックメイキング的な作品だとどこかで読んだことがあるんですが、残念ながら読み逃してしまいました(涙)
とはいえ、この『ロードス島戦記』は、明らかにゲーム的な要素があり、D&Dが元ネタの『ドラゴンランス』シリーズとその意味では変わらないかもしれません。

そこで、88年ごろに出てきた『空色勾玉』の話になるわけですが。

わたしは個人的には、『空色勾玉』は、あまり評価していません。というのも、

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ファンタジーの大御所(外国版)

ファンタジーの大御所たちについてです(外国版)。
洋モノのファンタジーで有名人と言えば、J.R.R.トールキンか、C.S.ルイス。それと女性ではアーシュラ・K・ル=グインでしょうね。

トールキンは『指輪物語』、ルイスは『ナルニア国物語』。ル=グインは『ゲド戦記』で有名です。また、『ゲド戦記』はジブリがアニメ化しましたが、原作者がブチギレしたので有名です(汗)。

今回は、そのル=グインから話をしていきましょう。

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