夏の点描

セミの声がいっぱいです。
それはそれは、いっぱいです。
道路からは、湯気が出ています。
子どもが公園に駆けて行きます。

近所のプールは、水がなまぬるいそうです。
海は、くらげがいるそうです。
最近は、くらげの代わりに、レジ袋が浮かんでいるそうです。
くじらがレジ袋を食べて、消化不良で死ぬそうです。

セミは絶叫しています。
子どもたちはそれを捕まえます。
カエルは小川の近くで昼寝しています。
トンビが暑さで屋根に巣を作るのをあきらめています。
カラスが電信柱で仲間と争っています。

お盆がやってきます。
ご先祖さまが、山からやってくるそうです。
団地になった山のどこに先祖の住む場所があるのでしょうか。
天国からやってくる?
羽をつけて輪っかをつけて?
白い衣装に、竪琴までかかえて?
なんだか、違う世界にいるみたい。

幽霊も、出てくるお盆休みです。
幽霊は言います。
「わたしたちのことを、忘れないでね」
怖い話でドキドキしたり、
声を潜めて百物語をするときに考えます。
幽霊の行き先は、どこだろうって。
セミの声は秋になればなくなります。
それがセミの一生なのです。
生きてるって、ふしぎです