追悼:水木しげる展

2019/08/01、3時間ちかく中区へ行ってきました。
県立美術館で水木しげる展があったんです。
水木さんは、その著書 『水木サンの幸福論』 で書いていることには、
【人間は好きなことすなわち、 ”しないではいられないこと” をするために
生きてきたんだ】
入口近くで展示されていました。
意外なことに、
小学校から描いてきた絵は人物画とか、抽象画とかONLY。
のちに見られるあの不気味でユーモラスなマンガとは
まったく違うスタンスのふつーの絵を描いていました。
小学校の教頭が、この絵に才能を見いだして個展を開き、
新聞に 「天才少年現る!」 と書かれたそうです。

第二次世界大戦に参戦した話とか、
戦時中に持って行った本(岩波書店の『ゲーテとの対話』)の話もありました。
特に印象的だったのは、
ラッパを吹くのが苦手だったので辞退すると言ったら、
「それじゃ 南か北、どっちかに志願しろ!」
と言われたので、南と答えたら
東南アジアのほうに飛ばされちゃったこと。
ラッパ吹きに甘んじていれば、内地にいられたのにと知ったのは
戦後まもなくのことだった。
なんという皮肉。

人間には、生まれ持った運命ってのがあるねーと思います。
あきらめてしまえってわけじゃないけど、
ひとつ曲がり角を間違えただけで
左腕を失う羽目になる水木しげるの話は、
わたしも父を失うまでのアレコレを考えさせられてしまい、
人ごとじゃなかったです。

いま、『ゲゲゲの女房』 が午後四時ごろにNHKで再放送されてます。
戦時中の話はほとんど出てこず、赤貧(せきひん)を洗う状態から
いかにして脱出したか、という話が朝ドラらしいタッチで描かれています。
水木しげるの絵は現代的ではありませんが、
日本の伝統・歴史のなかに組み込まれていきそうな、
そんな気がしてなりません。

しないではいられないこと、ってわたしの場合。
やっぱ、文章を書くことだよなー。
小説が書けないのが悩みの種なんだよなー。
水木しげるも、絵を勉強したくて武蔵野美術学校に入ったのに
「画家になるには1千万円必要」
と言われてガックリ来ていた時期があったらしい。
貧しいってそれだけで罪だわ。

わたしもやらずにいられないことを追求してみよう。
【売れる】 【売れない】 は関係なし。
ネットでしかできないことってあるじゃないですか。
絶望が悪いんじゃない。
絶望に慣れるのが悪い、とカミュも言っているそうですよ。
(ラジオ深夜便より)
人生は、なにが起こるかわからない。
だから、自由に生きてみよう。
それができるぜいたくな身分なんだから、わたしの立場は。
一歩ずつ前へ進んでいくのさ。
その一歩そのものが価値あるモノにしたい。

人生って、深いね。

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