シミ取り(初日) 2026年2月2日、美容皮膚科へ。8万円でシミ取り放題の日だった。
施術は40分ほど。ピンポイントでレーザー光線をあてるたびに、痛いし、焦げる臭いもする。こんなに沢山のシミを、周りは見ていたのだろうか。
術後、顔が反動でひどく腫れた。マスクで隠して帰宅し、義母と夫に見せた。
「落ち着いたら一層、可愛くなるよね」と夫は言った。
義母に聞いてみた。「今までシミがあるって思ってた?」
「思ってた」
即答だった。今まで、そのことをひとことも言わなかったこの人の気持ちが、よくわからない。
「なんで言わなかったの?」と夫に聞いたら、「うちの家は、みんな猫のように人と接するんだよ」と言われた。
「猫のように?」
「相手に踏み込みすぎない。適度な距離を保つ。母さんもそうだし、俺もそう」
なるほど。義母の沈黙も、夫の曖昧な言い方も、そういうことか。他人の顔は、結局その人のものだから。
私は自分の顔を取り戻したつもりだったけれど、もしかしたら家族が見ていた私の顔から、何かを奪ってしまったのかもしれない。
三ヶ月後。シミが完全に消えた日、夫は言うのだろうか。
「やっぱり、前の方が良かったな」
猫は、気に入らないものを見ると、そっぽを向くのだった。

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