美容皮膚科で心、踊る

 

 自分のシミが気になりだしたのは5年ぐらい前。ふと鏡を見ると、顔のあちこちが黒ずんでいる。特にメガネの下がひどい。べったりと頬が黒豚の皮になっている。

シミに効くというローションを使ってみた。パックも試した。焼け石に水。夫は「構わない」と言うけど、本当だろうか。

濃くなる一方のシミに耐えかねて、美容皮膚科をネットでチェック。広島では唯一の美容皮膚科を発見。キャンペーン中で、シミ取り放題が8万円弱。毎日毎日、爪に火を灯すように節約したのは、この日のためじゃないか。

1月27日、カウンセリングに行った。非常に雑談力の強いスタッフさんと意気投合してしまった。大きな目をして、一生懸命話を聞いてくれる。聞き上手だ。

「施術後2週間は『えっ、なにかしたの?!』って言われますよ」

つまり、レーザー光線で肌を焼くため、一時的に顔中が真っ黒になるのだという。顔が白くなるのはその後の話。三ヶ月ぐらいかかるらしい。

2月7日に公民館でパソコンボランティアがある。そこで「あ~。あなた、処置したでしょ~」と言われるのは確実だ。1月31日には呉でランチ会もある。顔が真っ黒では恥ずかしい。

時期をずらして、2月2日に施術することになった。

帰宅してラジオを聴いたら、『試験』をテーマにリスナーが投稿していた。
「企業受験で、机の上に載った1個のリンゴ相手に、1時間雑談する試験があった」

雑談力すなわち企業力、労働能力。中身ある授業ができれば、見た目なんて関係ないはずなのに。7日のボランティアで、濃いシミの顔を人に見せることを、私はこんなにも恐れている。

以前なら絶対に他人の視線なんか気にしなかったのに、と思うと、なんだか可笑しくなった。


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