二〇一〇年二月一日 指を切った話・そのほか
【Q:坊ちゃん】
親譲りの無鉄砲で、子供の頃から損ばかりしている。俺も見栄を張って思いっきり指を切ったが、おまえも切ったんだってな。どうしたんだ。
【A:わたし】
二十九日のことね。キャベツを洗って、炒め物にしようとして切っていたら、勢い余って薬指の先を包丁でぐさっ! とやっちゃったんだよね。
「たまに食事の用意をしてくれると、医者に連れて行かなくちゃならなくなる」
と義母が笑っておりました。
【Q:坊ちゃん】
当たり前だ。俺も相当無謀だと思うが、料理で指を切るようなへまをする女は女房にしたくないな。
【A:わたし】
あんたには、お清さんがいるもんね。
【Q:坊ちゃん】
よせやい、あんな年増。趣味じゃねーや。
そらそうと、あんた、ダイアン・デュエインの「駆け出し魔法使いと海の呪文」の書評をやったそうだな。TRPGになりそうな本の紹介を日記でもすると言っておきながら、こっちではその話を一切していない。なぜだ。
【A:わたし】
あ、忘れてた……(笑)
ダイアン・デュエインの「駆け出し魔法使いと海の呪文」は、ストーリー展開がわかりやすいのですが、そのままではTRPGにはなりそうにありません。
一ひねりが必要なもようです。
鯨が出てきて歌を歌うんですが……。
ゲームに歌を出すのもGMスキルが必要かも知れない。
あっと驚くどんでん返しをどうするか、頭が痛いです……
【Q:坊ちゃん】
一月分のHP掲載写真コラージュの先週分までの写真を、HP日記に載せてるそうだな。忘れたからだろうが、ほんとにトリ頭だな。
【A:わたし】
先月分の写真コラージュは、HPの日記に載せておきました。
今年わたしが知り合いに送った年賀状をここに載せておきます。
二〇一〇年二月二日 「坊ちゃん」との会話:お返し前提プレゼント
【Q:坊ちゃん】
昨日、テレビでチョコレートと一緒に小さなダイヤをプレゼントできるセットの紹介があったぞ。最近の女は剛毅だな。男にダイヤのプレゼントをするなんて。
【A:わたし】
ああ、それは男に、「そのダイヤをネックレスに加工して、ホワイトデーにお返ししてね」っていう、お返し前提チョコだよ。
【Q:坊ちゃん】
なんだって? お返し前提?
【A:わたし】
そ。最近の草食系男子は、プレゼントしても返してくれないかもしれないし、気の利いたプレゼントも考えてくれないだろうっていうのがそのプレゼントの趣旨。
【Q:坊ちゃん】
てめえが欲しいものを、まえもって要求するのか。もらいたいプレゼントをあれこれ注文するとはおそれいったね! さすが現代の女は違う。教育ママみたいにあれをしろ、これをしろとは、現代女でなければ出来ない芸当だぜ。第一男がおとなしく言うとおりにするものか。
【A:わたし】
女の子にモテたかったら、言うとおりにするんじゃないの?
【Q:坊ちゃん】
てやんでえ、そんなケツのちいせえことは言うもんじゃねえ。女を振り向かせてやるのが男ってもんだ。
【A:わたし】
それをうらなりに言ってやったらよかったのに。
【Q:坊ちゃん】
あれは話が違う。うらなりはマドンナを赤シャツに横取りされたんだ。マドンナがなにかをうらなりに要求したことはないぞ!
【A:わたし】
そうかなあ、マドンナは赤シャツの地位や金がかなり好きだったみたいだったけど。
でも、たしかに、自分の欲しいものをプレゼントに強要するのはどうかと思うわね。
自分で買った方が確実だもん。坊ちゃんの反発、少しはわかるな。
二〇一〇年二月三日 「坊ちゃん」との会話:節分
【Q:坊ちゃん】
今日は節分だが、最近の日本じゃあ、豆まきはしないんだな。うちではしょっちゅう、隣のガキ同士で豆のぶつけあいっこしたもんだが。
【A:わたし】
豆は食べ物だから、蒔くのはもったいないよ。だいいち、エコじゃないもんね。
【Q:坊ちゃん】
なんでもエコだ、エコだってちまちま節約するから、人間がちっこくなるんだよ!
野だいこみたいに人の顔色をうかがう男ばかり量産されやがって。
【A:わたし】
あなたみたいなのが量産されたら、世の中もっと単純になるかもね。
【Q:坊ちゃん】
おれが単純だと言いたいのか。わからんことをわからんと言ってなにがわるい。教師をやってたからって、人間性が優れてるとは限らんぞ。
【A:わたし】
あなたがそれを言うと、妙に説得力があるわねえ。
【Q:坊ちゃん】
昔は、鬼や邪というのは、豆さえ投げつけとけば退散したもんだし、邪気ばらいの豆を投げつけるヤツが必ずいたもんだぜ。
最近の犯罪者てのは、豆をぶつけられるどころか、ファンクラブができる犯罪者もいるそうじゃねーか。鬼が聞いたら、羨望のあまりよだれをたらしそうだぜ。
【A:わたし】
女を振り向かせられる男なんだから、許せるでしょ?
【Q:坊ちゃん】
何を言うか。理不尽なことをしておいて、自分は聖人でございって顔してやがる連中は、おれは一番いけすかねえんだ。
おれが赤シャツをやっつけたのは、善人づらして心の中で邪悪なことを考えてたからだ。
はじめっから邪悪なやつを応援するやつらは、おれの手には余る。
【A:わたし】
でも野だいこはやっつけたじゃないの。そりゃ、今時、そういう「はじけた」人は流行らないことはたしかだけれど。坊ちゃんも現代の世間のことがわかるようになったら、はじけなくなるかもね。なってほしくない気もしないでもないけれど。
お互い、はじけたままでいましょう。
二〇一〇年二月四日 坊ちゃんとの会話「蕎麦とラーメン」
【Q:坊ちゃん】
やっぱり日本男児なら、麺類は蕎麦だな! ことに天麩羅蕎麦は松山に限る。あんまりうまいから四杯食ったぞ。
【A:わたし】
それで松山の生徒に「天麩羅先生」ってからかわれたんでしょ。
【Q:坊ちゃん】
あれは別に気にしなかったが、一つ天麩羅四杯なり、あれは腹が立ったぞ。おれの銭でおれが食うのに、文句を言うヤツがあるか。
【A:わたし】
そりゃそうだけど、いちいちまともに取るから面白がられるんじゃないの。ところでラーメンは好きなの? 蕎麦は好きだって言ってるけど。
【Q:坊ちゃん】
ラーメンは、しょうゆやみそは嫌いだな。やっぱり博多のとんこつが一番うまいと思う。おまえ、ラーメンのチャーシューを作るのがうまいそうだが。食ってみたいな。
【A:わたし】
天麩羅やとんこつが好きなんて、脂っぽいのが好きなのね。そうね、チャーシューは作るのは上手かもしれないけど、家族ではウケてもひとさまに食べさせるほどのものでもないので……。第一、あなたが来たって、蕎麦は出せないわよ。蕎麦は作るのが難しいんだもん。
【Q:坊ちゃん】
あんなもの、湯のなかにぶっこんで、適当に煮ておけばゆであがるだろ。
【A:わたし】
ほんとにアバウトなのねー。
【A:坊ちゃん】(独り言で))
蕎麦やラーメンはいいが、うどんはあまり好きじゃないな。なんだかつるつるして、つかみにくいし、赤シャツみたいにとりすましてやがる。
【Q:わたし】
ラーメンに蕎麦にうどん、麺類の話が続いたところで、質問です。
シクラメン、好き?
【A:坊ちゃん】
…………。
二〇一〇年二月十日 坊ちゃんとの会話:広島の市電の話
【Q:坊ちゃん】
おれの時代では、市電というものは走っていなかったが、東京も時代が下がってくると都電が走ったりしたもんだ。ちんちん電車も走っていた頃もあったんだが、広島では今でもちんちん電車が走ってるって?
【A:わたし】
そうよ。特に、宮島線のグリーンムーバーが乗りやすいという評判なの。
【Q:坊ちゃん】
話には聞いたことがあるぞ。緑色の車体で、乗るときにはあしもとが平坦になっていて、車いすでも大丈夫なようになってるって言うヤツだろう。
【A:わたし】
そうね、車いすでも大丈夫なんだけど、宮島線でそういう配慮をしても、今ひとつ中途半端な印象もないわけじゃないのよねえ。
【Q:坊ちゃん】
どういうことだ。
【A:わたし】
プラットフォームが段になってて、車いすが乗りにくい駅が結構あるのよ。そのせいなのか、車いすでグリーンムーバーに乗ってる人って、あまり見かけないんだよね。
【Q:坊ちゃん】
広島電鉄も、中途半端なサービスをするんだな。なんでプラットフォームを平たくしておかないんだ。
【A:わたし】
予算がないからかも……。
【Q:坊ちゃん】
見かけや印象だけ見てると、いかにも身障者に配慮しているように見えるが、実際には必要なことはしていないってことか。さすが企業だな。サービスしますといいつつ、実際には外面だけか。
【A:わたし】
でも喜んでる市民もいるし、人それぞれじゃないのかな。乗車時にコケなくてすむことはたしかだもの。でも、座るときに椅子が固くて座り心地が悪いのは何とかして欲しいなあ。坊ちゃんも一度は市電に乗ってみて、感想を聞かせてよ。
二〇一〇年二月十六日 坊ちゃんとの会話:柳川日帰り旅行(01)
昨日十五日、某スーパーの招待旅行、福岡県柳川の川下りに行って参りました。
【Q:坊ちゃん】広島はバスの街だと聞いてるが、どんなバスがあるんだ?
【A:わたし】普通に市内を走るのは、6社ほどあるんだけど、そのなかでも「赤バス」と「青バス」が有名ね。バスに施されている縞模様の色で見分けるのよ。
縞の色が赤かったら「赤バス」。緑色だったら「青バス」っていうの。
青バスは、広島電鉄が経営しているのよ。
でも、今回使ったバスは広島電鉄とは関係ない、スカイ観光っていう大型バスなの。タイヤが七本あってね。こんな感じ。(写真)
【Q:坊ちゃん】バスの周りに人がいないな。
【A:わたし】これはパーキングエリアで撮った写真なの。みんなトイレ休憩に行っちゃったんだよ。
【Q:坊ちゃん】スーパーの招待客だから、女ばかりが来たんだろう。女はトイレが近いからな。
【A:わたし】四十名近く旅行したんだけど、招待旅行に便乗する形で、一万円ちょっと払えば同行者もOKだったのよ。だから、同行者のなかには、男性もいたわよ。あなたも行けばよかったのに。
【A:坊ちゃん】冗談ばっかり言うなよ。なにが嬉しくて仕事でもないのにわざわざ柳川くんだりまで出かけるんだ。そりゃ、柳川は北原白秋の故郷かもしれないが、そんな有名人の生まれたところを見に行ったって、なんのおもしろさがあるものか。その土地の人間とある程度つきあうってんだったら、まだわかるけどな。
【A:わたし】土地の人と話をすればよかったのはたしかだけど、休憩時間が二十分しかなくて……。お土産を買う程度の時間じゃあ、ぜんぜん面白い話は聞けないじゃないの。
【Q:坊ちゃん】じゃあ、お土産は買ったのか。
【A:わたし】ぎく。
【Q:坊ちゃん】土産話程度だけならどうでもいいような気もするが。事件でもあったのか。
【A:わたし】それは今後のお楽しみ、ということで。
二〇一〇年二月十七日 坊ちゃんとの会話:柳川日帰り旅行(02)
さて、乗り込んだバスのお隣、Nさんは、大阪出身の四十六歳、中学生の子供が二人いる若そうな女性でした。彼女と雑談に盛り上がりました。
【Q:坊っちゃん】女の雑談には興味はないね。
【A:わたし】わたしは面白かったよ。そのNさんは、ファンタジーも好きみたいなの。
「獣の奏者」の話も聞いたし、ハリー・ポッターを原書で読んだ話も聞いたわよ。
【Q:坊っちゃん】 なに、あの分厚い英語の本を、原書で?! おれは英語はきらいだ。
【A:わたし】だから赤シャツが嫌いなのね?
【Q:坊っちゃん】甘ったるい声で、もっともらしいことを言うヤツが嫌いなんだよ。
【A:わたし】「獣の奏者」は、お母さんが亡くなるシーンが鮮烈だったって言ってた。中学生には厳しい描写じゃないかって心配になったそうです。でも、ああいうシーンがあるからこそ、主人公のエリンがそれを心の中で抱きながら、生きていくんだなーと思ったのだとか。
【A:坊っちゃん】小説の解説みたいな感想だな。
【A:わたし】ほんとにそうよ。国々の争いでも、理屈が通じていて、わりと大げさに書いてあるけど、現実でもあるよなーってのが書いてあるんだってさ。だからすごく面白かったんだって。
【A:坊っちゃん】でもしょせん、ファンタジーだもんな。おれは空想よりは、天麩羅そばのほうがずっといい。
【A:わたし】食い意地が張ってるんだから。だったら、途中で立ち寄った毛皮のおしゃれ工場の話なんか、聞いてもつまんないかな。
【A:坊っちゃん】毛皮なんてすかした連中が着てるんだよ。日本男児が着るもんじゃねえや。
【A:わたし】あら、カルーセル麻紀さんなんかは、あのおしゃれ工場に行って、気に入ったからってファーの着いた服だかバッグだか買ってったって言ってたよ。一個六十万なり。とても手が出ないのに、現金払い。すごいねえ。
【A:坊っちゃん】毛皮ってそんなにいいものなのか? 理解できん。
写真はお昼に立ち寄ったホテルセキアのバイキング料理です。
おしゃれ工房は、写真撮影が禁止なので、写真はありません。
二〇一〇年二月十八日 坊ちゃんとの会話:柳川日帰り旅行(03)
毛皮の工場、「おしゃれ工房」で一時間も毛皮を見ていたら、手が出ない自分がだんだん悲しくなり、惨めになってきました。毛皮なんて似合わないのに、Nさんが試着しているのを見るとうらやましくなるんですね。
【Q:坊っちゃん】そこの売り子に、いろいろ質問したんだって?
【A:わたし】そりゃそうよ。せっかく土地の人と仲良くなるチャンスじゃないの。ネタになりそうな話が聞けるかもと思ったのよ。毛皮のことは聞かなかったわ。くやしいもの。
【Q:坊ちゃん】そのおしゃれ工房は、佐賀県にあるそうだが。
【A:わたし】そうそう。佐賀って、印象が、あまり強くないじゃない? 北九州だったら長崎か福岡って感じで。はなわくんが昔佐賀の歌を歌ってたなー、って思うだけじゃないの。だから、佐賀で有名なところってどこですかって。
【Q:坊ちゃん】ずいぶんぶしつけな質問だな。売り子も大変だ。
【A:わたし】質問してよかったよ。佐賀には、「がばいばあちゃん」がいるんだって。そのおばあちゃんのゆかりの土地を案内するバスツアーがあるんだそうです。ドラマのロケ地めぐりとかね。
【Q:坊ちゃん】そいつらもヒマだね。
【A:わたし】工場では写真撮影が禁止されていたから写真は添付できないけど、そのおしゃれ工房にカルーセル麻紀さんが来たときのことも聞いたわよ。カルーセル麻紀さんは、背が低くて、もとは男性なのに胸がばーんと出てて、腰もしっかりくびれてたそうです。
【Q:坊ちゃん】人の好みをどうとか言うつもりはないが、日本男児に胸が張り出てるのには、あまりそそられないな。
【A:わたし】あなたも女の子が好きなの? 関心なさそうだったけど。
【Q:坊ちゃん】男というのは、色恋にそれほど熱を上げるもんじゃない。 りっぱな仕事をしてこそ、男というものだ。最近のひきこもりは、あまえてるんだ。
【A:わたし】明治の男ってこれだからね。外に出て行くから立派だとも限らないけど。まあ、ともかくそのおしゃれ工房のセールスマンが、セーブルって毛皮が一番高くて、いま一番買い時なのがウィーゼルという話をしてくれたわ。ウィーゼルは子供が少ないし、獲れる数が少ないんですって。今後、値上がりするので、今がお買い時だそうです。
【坊ちゃん】商売上手だね。
二〇一〇年二月十九日 坊ちゃんとの会話:柳川日帰り旅行(04)
おしゃれ工房を脱出して、ホテルセキアへ。昼食のバイキング料理を食べました。
ロビーにひな人形がかざられていました(写真)。
【Q:坊ちゃん】ホテルのロビーにひな人形か。なかなかしゃれてるが、おい、ビニールがかぶさってるぞ?
【A:わたし】ほこりがかぶらないように、じゃないの?
【Q:坊ちゃん】このホテルは結婚式もやるのか。花嫁衣装が置かれているな。(写真)
【A:わたし】坊ちゃんの時代にも、ウエディングドレスってあったの?
【Q:坊ちゃん】結婚を異様に意識するのは男じゃないね。だいたいなんだ、この写真の男は。でれでれ嫁さんを眺めやがって。もっとしゃきっとせんか、しゃきっと!
【A:わたし】やっかんでるー。
【A:坊ちゃん】なにをいうか。やがて嫁さんになる人間の花嫁衣装を、結婚前から見たら不幸になるんだ。そんなことも知らないのか。
迷信深いやつだな、と思いつつ、ホテルの中を散策します。連れのNさんが、
「土産物屋に行きたい」というので、隣の部屋に行きますと、ジブリ作品をあつめた雑貨屋が目に飛び込んできました。(写真)
【わたし】トトロだ!
【坊ちゃん】なに、トロだって? すしなら江戸前がうまいぞ。
【わたし】じゃなくて、宮崎駿の映画に出てくるキャラクターのことよ。あれっ、店の前でトトロと一緒に、写真を撮ってるオジサンとオバサンがいる。
【坊ちゃん】日本人も幼児化したもんだな……。
なげく坊ちゃんを尻目に、Nさんがやってきて、
「ここにはいいものがなかったわ」
と言って、観光バスに乗り込みます。
ちなみにNさんは、取り放題だからということで、「驚いちゃいけないわよお、わたしすごく食べるから!」という言葉通り、バイキング料理をがっぽがっぽと三杯おかわりし、パンをばくばく食べておりました……。
二〇一〇年二月二十日 坊ちゃんとの会話:柳川日帰り旅行(05)
いよいよ柳川川下りです。当日は雨が降ったら温泉に入ることになっており、予報では降水確率四十パーセントだったので、折りたたみ傘を持っていきました。しかし、今にも降りそうな天気でしたが、なんとか雨は降らずに済みました。舟は渡し舟で、船頭さんが漕いで水門まで行きます。今月はお堀の掃除のため、水門近くまで往復三十分しか乗れませんでした。水上だったのですごく寒かったです。こたつ付きでしたが。
【Q:坊ちゃん】船頭さん(写真)が、シロウトくさかったって?
【A:わたし】初心者だったのよ。下手な歌を三つも聴かされてしまいました。
わたしねえ、音痴には二通りあると思ってるの。
【Q:坊ちゃん】二通り?
【A:わたし】信念をもった音痴か、へなへな音痴か。その船頭さんは、へなへな音痴でしたね。歌い方が女っぽいの。あなたはアレルギーを起こしそうね。松山の船頭さんのほうが手品師か詐欺師みたいに語りがうまいのよ〜。
【Q:坊ちゃん】慣れてないんだから、少し目こぼししてやったらどうだい。事故もなく、転倒もなかったんだろ。つまらんといったらつまらんが。
【A:わたし】お堀に、アヒルとカモのニワトリがいたよ。(写真)
【Q:坊ちゃん】(写真を見て)ニワトリなんていないじゃないか。
【A:わたし】二羽の鳥でニワトリ。
【坊ちゃん】くだらん。それは船頭の受け売りじゃないか。
【A:わたし】ばれたか。
それから柳川の街を散策。ひなまつりが近いらしく、「さげもん」という、モビールみたいなのを見つけました(写真)。
【Q:坊ちゃん】おひなさまと一緒に飾るのか。変わってるな。それに綺麗だ。
【A:わたし】すごく変わった飾りもついてたよ。エビがいっぱいつながってるのとか。店内に入り込んで、おひな様の飾りも撮ってしまいました。なんだかほんとに旅行した! って感じだったな。柳川の町には、魚屋はあってもスーパーがなかったの。不便そうだったけど、情緒はいっぱいあったな。楽しかったです。
二〇一〇年二月二十一日 坊ちゃんとの会話:柳川日帰り旅行(最終回)
柳川川下りで、「あわて床屋」「この道」「待ちぼうけ」を聞かされた後、街を散策して「さげもん」を眺めつつ北原白秋の生家へ。門構えが立派で、ちょっと武家屋敷っぽかったです。
【Q:坊ちゃん】柳川の川下りには、結婚披露にも使われるそうだな。
【A:わたし】そういうときは「川下り」と言わず、「川上り」っていうらしいわね。
二十分間しか休憩がなかったので、結局ここでも地元の人と交流できずじまい。
かわりに、Nさんとレシピ話で盛り上がりました。
【わたし】Nさん、豆腐料理が好きなんだって。
【坊ちゃん】団子もいいぞ。
【わたし】団子で思い出したけど、柳川のお土産に、「いきなり団子」ってのがあるんだって。あんこの部分が芋になってるの。
【坊ちゃん】うまそうだ。
【わたし】買わなかったけど。そうそう、おしゃれ工房でおみやげをもらってきたの。ちんちらのストラップだよ。(写真)
【坊ちゃん】やたらかわいいが、子供っぽいな。
そんなこんなで、帰りの売店での夕食はサンドイッチも売られておらず、佐世保バーガーかあんぱん。佐世保バーガーは量が多すぎるのであんぱんを買って食べたら、胸焼けがして、バスの中でおろおろおろーっと吐いてしまいました。
ご迷惑掛けて済みませんでした、Nさん……。
【坊ちゃん】酔うんだったら薬を添乗員に貰えばよかったのに。
【わたし】アレルギーがある人もいるから、添乗員も気軽にあげられないのよ……。
結局、Nさんとメール交換をしようという計画は、この事件のためにぽしゃってしまいました。それに、Nさんはパソコンを打つスピードが遅すぎて、パソコンが面倒なのだそうです。
【坊ちゃん】事件というのは酔ったことか。つまらん。
写真:さげもん・えび、民芸品売り場、チンチラのストラップ。
☆バスの中でクイズがありました。そのなかで、バスのタイヤの数はスペアも含めていくつでしょう、というのがありました。前に二本、後ろに四本、スペア一本で七本だったのですが、わたしは十本ぐらいかなと思ってました。
クイズの正解者には、お菓子が配られておりました。
おしゃれ工房のクイズは、全問正解者に携帯ストラップをプレゼントされましたが、ひとりしか正解者がいなくて、結局じゃんけんでストラップをわけることになったのでした。かわいいストラップなので気に入ってます。
☆日帰り旅行の会話式エッセイ、いかがでしたか? 今後も五月まで広島での街なみや日常生活を坊ちゃんと会話していきますので、よろしくお願いします。
二〇一〇年二月二十二日 坊ちゃんとの会話:広島・そごう
【Q:坊ちゃん】今日は広島そごうの話題なんだってな。
【A:わたし】とりたてて、面白い話題でもないんだけどね。まずはバスの話から。前に言ったように、広島には6社バスがあって、その中でも赤バス(広島バス)、青バス(広電バス)ってのが有名なの。写真に撮ってあるから見てね。
【Q:坊ちゃん】(写真を眺めつつ)バスにも色々あるもんだな。
【A:わたし】これを撮ったのは、紙屋町っていう、広島の中心地。そこの、「広島そごう三階」にあるバスセンターで撮りました。
バスセンターというのは、6社のバスが乗り入れしているバスのハブ地点のことです。そこでは、お土産も売られています。(写真)
【Q:坊ちゃん】広島の土産と言えば、もみじまんじゅうだが……。
【A:わたし】もみじまんじゅうは定番だけど、そこではバッグとか傘とか、スルメとか飴とかもとかを売られてたりすることもあるわね。でも、土産物としては、普通じゃない? もっとインパクトのある商品を出せないのかしら。
【Q:坊ちゃん】おや、弁当が売られてるぞ。観光客相手に弁当?
【A:わたし】残念ながら、ここでは蕎麦やうどんは売られてないけど、弁当は売られてるわね。野菜中心の弁当から、お肉たっぷりのチキンライスまで。そうそう、アイスクリームも売られてるわよ。というのも、バスセンターは、通勤客がたくさん来るのよ。ビジネスマンが買っていくのよ。アイスクリームは、市内に出てきた女の子たちがよく食べてるわね。
【Q:坊ちゃん】ここに銀行のATMもあるんだな。
【A:わたし】JA銀行から信用金庫、広島銀行まで、各種そろってます。
【Q:坊ちゃん】ビジネスマン相手にもみじまんじゅうを売りつけるのか。妙な売店だな。
【A:わたし】ここでちょっとした行商をやってく店もあるわよ。紙屋町は原爆ドームの近くだし、観光客もここまで足を伸ばす人もいるのよ。
最後に、紙屋町そごうを見上げる写真と、そのすぐ前を走る道路・紙屋町の電器店の看板の写真を載せておきます。この看板のある道を行くと、「とらのあな」「イエローサブマリン」などがある繁華街です。右手の方に原爆ドームがあるのですが、それらの写真はまた今度。
二〇一〇年二月二十五日 坊ちゃんとの会話:オーディオブック
【Q:坊ちゃん】「大切なことは記録しなさい」に、いいことが書いてあったろ。
【A:わたし】「大切なことは記録しなさい」は、わたしより年下の、元国会議員秘書が書いたハウツー本でね。記録することで、自分に付加価値を付けよう、という趣旨のお話が載ってるの。これからは丸暗記じゃなく、創意工夫の時代だからねえ。
【Q:坊ちゃん】それで、どんなことが書いてあったんだ。
【A:わたし】オーディオブックについて、書いたところがあったわね。
【Q:坊ちゃん】オーディオブック?
【A:わたし】本を朗読したものや、落語や、音声講座なんかが入ってるの。二つ紹介されてて、その一つFebe(フィービー)http://www.febe.jp/。これは、海外小説や古典から、最新のベストセラーまで、朗読されているのよね。会員になる必要があるけど、試聴もできるの。あなたの小説もオーディオブックになってるわよ。
【坊ちゃん】こいつの声は、嫌いだな。
【わたし】そう? 語り方、上手だと思うけど。五時間分あるんだって。
【坊ちゃん】一本五百円か。人件費を考えると安いのかな。
【わたし】本と同じ値段で買えるところも、いいよねえ。
【Q:坊ちゃん】五時間ぶっとおしで朗読したのか。大変だな。
【A:わたし】あなたを朗読する場合は、著作権料はただだから、朗読した人と販売者は丸儲けってところかな。
【Q:坊ちゃん】どこの世の中にも、めざといやつはいるもんだ。
【A:わたし】でも、最新の作品なんかはお金を払ってるんじゃないかって思うけどね。わたし、お金が出来たら、落語を聞いてみたいかなって思ってる。一度もまともに落語を聞いたことがないんでね……。名演って書いてあるから、期待してます。
【坊ちゃん】早くカネを稼げる小説家になるんだぜ。
写真は今月HPのトップに載せたコラージュです。